ネット不通の間に

ネット不通の間に、本を一冊読み終えることが出来てしまいました。
(´・ω・ω・`)
太田忠司「伯林水晶の謎」
ミステリ的にはまぁまぁ。
ストーリーとしては、なかなかだったかも。
このシリーズでは、今まで読んだ中では一番スケールが大きかったのですが、
それも無理なく、嫌味なくまとまってる感じで良かったです。
いつもながら、太田忠司はまとまっていて読みやすい。


ってか、それほど薄い本でもなかったのですが、
かれこれ2時間半ほどで読み終えることが出来ました。
約360ページなので、時速180ページ。
かつてない速読。
ここしばらく翻訳ミステリばっかり読んでいたので、
単純な『読む能力』が付いたのかもしれません。
国内現代ものは非常に読みやすいです。
太田忠司は文体がライトなので、さらに読みやすい。
例外は京極。
ただ、ちょっと勿体なかったかなぁ。とも。


ちなみに、モリスンのヒューイットも読み終えました。
「伯林水晶の謎」の前です。
この時代(ホームズ時代)のミステリは、基本的に『推理譚』で、
文中に出てこない手がかりがあったり、特別な知識が必要だったりするのですが、
その分を差し引いても面白かったです。
ヒューイット氏の人柄も、クセモノの代表のようなホームズと違って親しみやすい。
何より、「天才の嫌味」がないです。
ただ、事件そのものは盗難事件が主で、
殺人事件に慣れた現代のミステリマニアにはちょっと物足りない。


探偵の人柄と言えば、
その直前に読んでいたセイヤーズ「誰の死体?」のウィムジィ卿も。
陽気で気さくな紳士で、人の良い貴族の坊っちゃんです。
ぱっと見た感じ、執事のバンター氏やパーカー警部の方が有能そうにさえ見えます。
しかしそれでも、探偵としての能力は十二分で、
謎を暴き立てるということに苦悩しつつも、しっかり事件を解決する。
何というか、人間味あふれる、非常に好感の持てる探偵でした。


謎を暴くことに苦悩すると言えば、前述の「伯林水晶の謎」の霞田志郎氏も、
事件の度に苦悩に苦悩を重ねていますね。
考えてみれば、比較的ウィムジィ卿に近いタイプの探偵だ。